中国漢方物語り
中国漢方物語り
中国漢方ものがたり
始まりは一人・・・。
1998年12月、一人の中医師(中医学の専門医)がイスクラ産業に入社しました。 彼の名は李雲祥。 中医師の家系の14代目。
中国・蘭州の病院に勤務していました。
彼の夢は、中国伝統医学の結晶である 「中医学」 と 「中医学理論 」から生まれた 「中成薬」 を、日本に根づかせることでした。
日本の漢方理論と中国の中医学が大きく異なると気づいたとき、中成薬(ハード)を普及させるには、何より中医学(ソフト)が必要だと考えた、イスクラ産業の夢と、一致したのです。
人間は、一人ひとり体質が異なり、それによって症状も違うため、薬も患者さんの数だけ必要だという考え方が、中医学にあります。患者さんの症状を全体的に分析し、中成薬を選び、正しく服用してもらうためには、どうしても薬局・薬店の人達に中医学をきちんと教える先生が必要になったのです。
李さんの活躍のニュースが伝わると、中医学の啓蒙に情熱を燃やす中医師が、イスクラ産業に集まってきました。日本語を学び、日本語で中医学を教えるという使命に燃える先生たち。
先生が熱心なら、勉強する薬局・薬店の人達も熱心でした。
こうして教える中医師は19人に増え、きちんと中医学を学んだ人達は、全国でおよそ2000人、薬局・薬店数は1000店に達しました。
これらのお店が 「日本中医薬研究会」 を組織したのです。
中医学では、患者さんの症状に必要な中成薬を選びだして、きちんと治療することはもちろんですが、さらに中医学の特長として強調したいことは、
まだ、病気として現れない「未病」の段階で、いろいろな兆候から、病気の発生を察知し、予防するための手段を持っていることです。
中医学に精通した中医師と1000店の薬局・薬店が一致して注目する中国の薬があります。
どのように優れた効果があり、どんな時に使われる薬か、ぜひお近くのお店をお訪ねください。
誰もやらないなら、自分たちでやる。
それが 「中成薬」 のイスクラと 「日本中医薬研究会」 です。
(朝日新聞 1999年5月19日朝刊)